なぜ780nmを追加したのか?|Capillus TriSpectrum 312の新しい3波長レーザー技術

毛包だけでなく、髪の成長を支える頭皮環境にも着目
育毛において重要なのは、毛包そのものの働きだけではありません。
毛包の周囲には、酸素や栄養の供給に関わる血管や、組織を支える結合組織が存在しています。健康な毛髪の成長を考えるうえで、こうした頭皮内部の環境も重要な要素となります。
米国Capillusが新たに発売した「TriSpectrum 312」は、この毛包周辺の組織環境に着目し、従来の650nmと808nmに加えて、780nmの近赤外線レーザーを採用しました。
これは単純にレーザーの数を増やすのではなく、異なる波長の光を組み合わせることで、頭皮へのアプローチをさらに多角化しようとする新しい設計です。
780nmが追加された理由 ― 頭皮の中間層(約3〜5mm)へのアプローチ
Capillusが780nmを追加した理由として説明しているのが、頭皮の中間層に存在する血管ネットワークと結合組織の重要性です。
毛包は周辺の微小血管から酸素や栄養の供給を受けています。また、毛包を取り囲む結合組織も、毛髪の成長を支える環境の一部です。
Capillusでは、これらの構造が存在する頭皮の中間領域(約3〜5mm)に着目。
従来の650nmの赤色レーザーと808nmの近赤外線レーザーに780nmを組み合わせることで、毛包周辺の血管や組織環境まで視野に入れたレーザー設計を採用しました。
メーカーは、この780nmの役割を「Vascular Bridge(血流環境をつなぐ架け橋)」と表現しています。
つまり、TriSpectrum 312の新しい特徴は、毛包に対する光刺激に加え、その周囲を支える組織環境にも着目したことにあります。
650nm・780nm・808nm ― 3つの波長はどのように組み合わされるのか
Capillusは、3つの波長の役割を次のように説明しています。
650nm:毛包を中心とした領域に着目
メーカーが示す到達深度の目安:約2〜3mm
650nmの赤色レーザーは、Capillusが長年にわたり育毛用レーザーとして採用してきた波長です。
低出力レーザー療法(LLLT)の研究では、毛包細胞の活動やミトコンドリアにおけるエネルギー代謝との関連が検討されてきました。
780nm:毛包を支える中間領域に着目
メーカーが示す到達深度の目安:約3〜5mm
新たに採用された780nmの近赤外線レーザーは、毛包周辺の微小血管や結合組織が存在する中間領域を意識して選定されました。
この波長が、従来の650nmと808nmの間を補完する「Vascular Bridge」として位置づけられています。
808nm:さらに深い頭皮組織へのアプローチ
メーカーが示す到達深度の目安:約5〜6mm
808nmは、650nmより長い波長を持つ近赤外線レーザーです。
より深い組織への光の到達特性を活用し、皮下組織や血管系を含む領域にも着目した設計に採用されています。
この3つの波長を同時に使用することで、TriSpectrum 312は頭皮の異なる深さを意識した光のアプローチを実現しています。
※各数値はCapillusが示す設計上の目安です。実際の光の到達深度は皮膚の厚さ、組織の状態、照射条件などによって異なります。
780nm付近の波長に関する研究でも、毛髪成長への可能性が報告
780nm付近の近赤外線が毛髪の成長に与える影響については、Capillusとは独立した研究も行われています。
2025年:複数の波長を組み合わせた光照射の研究
2025年には、医学誌「Journal of Biophotonics」に、複数波長を組み合わせた光照射と毛髪成長に関する研究が発表されました。
この研究では、670nm・680nm・780nm・880nmのLED光を用い、異なる波長の組み合わせがマウスの毛髪成長に与える影響を検証しました。
その結果、複数波長を組み合わせた照射は、単一波長の照射よりも良好な毛髪成長の結果を示しました。
研究結果は、波長の組み合わせを工夫するというTriSpectrum 312の設計思想を理解するうえで、参考になる知見といえます。
従来のSpectrum 312との違いは、レーザーの数ではなく波長構成
従来の「Spectrum 312」と新しい「TriSpectrum 312」は、いずれも合計312個のレーザーを搭載しています。
Spectrum 312では650nmを272個、808nmを40個使用していました。
一方、TriSpectrum 312では650nmを272個、780nmを20個、808nmを20個という構成を採用しています。
レーザーの総数は同じでも、近赤外線レーザーの一部を780nmに変更することで、異なる3つの波長を利用できるようになったことが最大の違いです。
Capillusはこれを、毛包とそれを支える周辺組織環境の両方に着目した、新しいレーザー育毛技術として位置づけています。
3波長レーザーを、1日わずか6分で
TriSpectrum 312では、650nm・780nm・808nmの3つの波長を同時に照射します。
1回の使用時間はわずか6分。ご自宅で手軽に継続できることも、従来のCapillusと共通する特徴です。
毛包への光刺激に加えて、毛包を支える周辺組織環境にも着目した新しい設計。
それが、Capillus TriSpectrum 312に780nmが追加された理由です。
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