科学が裏付ける近赤外線のコラーゲンの増殖効果による育毛効果や白髪の改善、頭皮の若返りを促進
2024年3月、韓国の研究機関が近赤外線発光ダイオード(NIR)に関する育毛効果の研究論文を発表しました。この論文は「新規近赤外発光ダイオード(NIR)照明による皮膚若返りと毛髪成長の増強」というタイトルで、医学論文誌「Lasers in Medicine」に掲載されました。
この研究では、近赤外線がコラーゲン生成を促進し、肌や髪にどのような影響を与えるかを分析。具体的には、細胞毒性の有無、ATP(アデノシン三リン酸)の生成促進、活性酸素の抑制、肌の厚みやコラーゲン量の増加、コラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)の抑制、そして毛包の成長や毛根の数について評価。
近赤外線はコラーゲン生成を促進し、コラゲナーゼの抑制を通じて毛包全体を保護するとともに、髪の成長を助けることが確認されました。
特に注目すべきは、近世外線が毛包内の「バルジ領域」に及ぼす影響です。バルジ領域は毛包幹細胞が集中している部位で、髪の成長を支える重要な役割を果たしています。老化が進むと、バルジ領域の幹細胞がDNA損傷を受け、修復能力が低下し、毛包が縮小して髪が生えにくくなることが知られています。近赤外線はバルジ領域を保護し、幹細胞の健康を維持することで、毛包の機能を正常に保つことが期待されています。
近赤外線はこれらの老化プロセスに対抗し、コラーゲン生成を促進することで、バルジ領域の幹細胞を保護し、毛包の健康を維持する効果を持ちます。また、肌の厚みや弾力性を改善し、頭皮の若返り効果も確認されています。さらに、コラーゲン増加は髪の太さや強度(ハリ)の向上にも寄与します。
今回の韓国の研究では、近赤外線がコラーゲンの生成を促進する一方で、コラーゲンを分解する酵素(コラゲナーゼ)を抑制する効果が確認されました。
これにより、髪の成長が促されるだけでなく、肌や毛包幹細胞がより健康に保たれることが期待されます。人間の頭皮でも、50~70代の毛包は20~30代より小さく、コラーゲン量の減少がその原因と考えられています。さらにコラーゲンは髪を生成するだけでなく、白髪の予防にも効果があるとされています
この韓国の研究は、2016年に東京医科歯科大学の発表した研究結果とも一致しています。
老化により「コラーゲン」を分解する酵素が過剰に生成されることが確認され、この現象が毛包の縮小と髪の成長阻害の主な原因であることが明らかにされました。さらに、人間の頭皮では年齢とともにコラーゲン量が減少し、それが薄毛の進行や白髪の発生にもつながることが示されています。
髪の毛に色をつける色素細胞の幹細胞である「色素幹細胞」もバルジ領域に毛包幹細胞と共に存在することが明らかになっています。
もともと無色のままで生成される髪の毛は色素細胞(メラノサイト)によって色付けされます。この色素細胞を産生する幹細胞が、色素幹細胞です。
近年の研究によって、色素幹細胞は同じバルジ領域に存在する毛包幹細胞と毛包幹細胞が作り出す「コラーゲン」によって幹細胞の未分化性を保ち、白髪の改善が見込める可能があります。
結論として、韓国の研究機関と東京医科歯科大学の研究はともに、近世外線がバルジ領域を保護し、コラーゲン生成を通じて肌と髪の健康を改善することを科学的に証明しています。この結果は、薄毛予防と育毛、そして肌の若返りを目指す新しいアプローチとして、近世外線が今後さらに注目される可能性を示しています。